【産後の抜け毛】これってやばい?知っておきたい産後抜け毛の対処法

幸せなはずの出産後、急激な生活の変化に伴い抜け毛が始まる人が少なくありません。産後は抜ける毛量が多く、また頭髪の変化は外見の印象につながるため、不安を感じる人も少なくないと思います。今回は産後の抜毛体験者の統計データに見る産後抜け毛対策をお伝えします。

この記事でわかること
・産後の抜け毛は、なぜ起こるの?
・いますぐできる、産後の抜毛対策
・長引く抜毛は、どうすればいい?

読むのに必要な時間は約 5 分です。

1. 産後の抜け毛っていつから始まるの?

■いつから始まるの?

出産後抜け毛が始まり、その量が気になる方も多いのではないでしょうか。一般的には産後2~3か月ごろに抜け毛が始まるというケースが大半を占めています。実際に美容外科のHPなどでも産後の抜け毛はこの時期に始まることが多いという記述などが見られます。妊娠中はホルモンの分泌量が変化し、増えていきます。その結果、髪の成長期が長くなるのです。産後、ホルモン量は正常に戻りますが、その結果髪は成長期を終え、休止期へと入ることになります。そしてその影響で産後すぐではなく、少し時間の経った産後三か月ごろから髪が抜け落ちるとされているのです。実際に体験者の話を聞いても、大筋で三か月ごろから抜け毛が始まったと感じている人が多くいました。ただ、絶対に三か月ということではなく、産後の体調の変化には個人差があります。産後二か月ごろから抜け毛が気になりだす人もいれば、4~5か月経過してから抜け始める人もいます。抜け始める時期は三か月ごろというのは、あくまで目安でありホルモンバランスに個人差があるように、抜け毛が始まる時期にも個人差があるということを覚えておきましょう。

■平均どれくらい抜けるの?

抜け毛の本数を正確に調べるという人はあまりいません。経験者の話を総合してみると、最も多かったのは「排水溝がすぐに詰まる」というもので、髪の毛の長さによる違いはあるものの、1~2回の入浴で排水溝が詰まってしまうという人もいました。ほかには、これまでなら気にならなかった床に落ちる髪の毛の量が目に見えて増えるといった印象の方もいます。外見も明らかに見た目の毛量が減り、スカスカになってしまったと感じる人が多いようです。

2. 産後の抜け毛の原因は?

産後の抜け毛は女性ホルモンの変化によるものが主な原因といわれています。妊娠中は黄体ホルモンであるプロゲステロンと、卵胞ホルモンであるエストロゲンという二つの女性ホルモンが増えます。

一般的に女性ホルモンが増えると髪の毛は抜けにくくなるため、妊娠中は髪の毛や体毛が増えたり、毛深くなったりする印象の妊婦さんが多くいます。産後、女性ホルモンは急激に減少することとなり、髪が一気に抜けるという症状を引き起こします。

また女性ホルモン以外にも慣れない子育てのストレスや授乳や子育てで睡眠時間が減少したり、食事がしっかり摂れなかったりなど生活環境の変化やストレスから抜け毛が始まる方もいます。その抜け毛そのものがストレスになるという悪循環に陥ってしまうケースも見られます。

3. 産後の抜け毛はいつまで続くの?

ホルモンバランスの変化で始まる産後の抜け毛。では、いったいいつまで続くのでしょうか?経験者や専門家の統計データから総合的に判断すると、産後一年前後という声がほとんどでした。

■一般的な期間

産後の抜け毛が収まったと感じる時期は、一般的に一番多いのが産後一年です。ですが、ホルモンバランスが関係しているため個人差があり、早い人は半年~7か月程度で収まったと感じる場合も。

多くの場合では6~一年で収まると思っていいでしょう。反対にいつまで経っても抜け続けるという方もいらっしゃいます。産後のストレスや、過度のダイエット、ホルモンバランスの乱れなど原因は様々ですが、この時点で出産の抜け毛以外の複合的な原因を考え改善するようにしたほうがいいでしょう。

あまりに長引く場合や、抜け毛そのものがストレスになる場合などは一度頭髪の専門家に相談してみるのもいいと思います。

4. 産後の抜け毛のピークは?

産後の抜け毛のピークは経験者全体の7割程度が3~6か月を抜け毛のピークと感じています。

■いつ頃ピークを迎えるの?

経験者の産後の抜け毛のピークと感じた時期の統計などを見てみると、3~4か月が3割、5~6か月が4割、3~7か月が最も多くて7割にも及びます。どこをピークと感じるかは個人差があるものですが、抜け毛が始まった直後から抜け毛が収まり始める直前までをピークと感じる人が多いようです。

ピークと感じる時期の長さに驚かれる方もいるかもしれませんが、女性にとって髪というのは大切なもの。その髪の抜けはじめにこれまでにない量の抜け毛でまず戸惑い、産後半年ごろまでにどんどん量が増えていくのでピークが長いと感じる方が多いようです。産後の抜毛が「脱毛症」といわれることもありますが、これは病気ではなく、産後の自然な体の変化によるもので特に心配することはありません。

■ピーク時はどれくらい抜けるの?

実際に産後の抜け毛の量に関して、頭髪の治療を行うクリニックのデータによると、一般的に通常抜け毛は100~150本程度なのに比べ、産後の抜け毛はこの二倍以上の200~300本ほど抜けているといわれており、多い人になると400本近く抜けることもあるのだとか。

「こんなに抜けて大丈夫?!」と不安になる方もあるかと思いますが、心配は無用です。産後で抜けた髪の毛は新しく生えてくる場合がほとんどで、仮に一日400本抜けたとしても、同じ分の髪の毛が生えてくれば元の状態に戻ります。

5. 今すぐできる抜け毛対策

■食事編

産後の抜け毛改善には頭皮の状態を整え、発毛を促すために食生活が重要なポイントとなります。産後は子育てなどで優先順位が子ども優先になるため、ママ自身の食事はおろそかになりがちです。髪の原材料となるたんぱく質の摂取を心がけ、無理がない範囲で規則正しい栄養のバランスが取れた食事を心がけてケアしたいもの。

特に大豆、肉、卵、魚などたんぱく質を多く含む食事を取り入れましょう。手の込んだものでなくても、例えば豚汁などにすると肉と大豆をまとめて摂ることができ、そのお味噌汁に卵を入れたりしてアレンジしていくと、組み合わせ次第では手軽に摂取することができます。

子育て中で忙しいときではありますが、できるだけ睡眠をとり疲労回復に努めることが抜け毛改善で大切な要素の一つとなります。脱毛に影響するのは重度の疲労や、短い睡眠(主に5時間半未満のもの)と言われています。産後すぐは、難しいとしても赤ちゃんの首がすわってくる4か月目くらいにはママも育児が少し楽になります。子育てにも慣れてきて、少しだけ余裕が出てきたと感じるママが多いのも事実。いいタイミングですのでこのころを目安に生活を見直したり、パパとの分担を話し合うなどして睡眠時間の確保や疲労回復の方法を考えてみましょう。

■抜けてしまってからの対策

髪の長さや、束ねている、パーマをかけていることなど、髪への負担や刺激が産後の脱毛に影響しているという報告があります。産後抜け毛が気になりだしたら一度髪を短くしてみるというのは対策としてはおススメです。髪の毛が薄い状態になると、出産前と同じスタイルにはできない場合もありますね。

そんなときは逆にチャンスととらえて新しいヘアスタイルに挑戦してみましょう。例えばおでこの広さが気になる方なら厚めの前髪を作ってみたり、逆に「シースルーバング」といわれる前髪のスタイルで、前髪を薄くしてあえて額が見えるようにしてみてもいいでしょう。産後美容室に行く余裕がないとき、セルフカットでスタイルを作りやすいのがシースルーバングのメリットです。優しい印象を与えることができるヘアスタイルといわれています。

また、抜け毛が落ち着いてくると今度は生えかけの毛が気になる時期に入ります。そんなときは、顔周りの毛束の量を調整してカバーしましょう。特に生え際の短い毛を上から隠すようにするのがポイント。このとき前髪の頂点の横から毛束を取るようにしてスタイルをつくっていくときれいにまとまります。

ヘアスタイルまで手が回らないという方には帽子がおススメ。外出時などに帽子でおしゃれも楽しめますね。頭頂部の髪の薄さが気になる方にもおススメです。帽子の素材や形、色によって雰囲気が変わるのはもちろん、頭皮や髪を紫外線から守る効果もあり産後の抜毛ケアの強い味方といえるでしょう。

6. 抜け毛の量が多い・期間が長い場合は他に原因がある?!

出典:https://www.hairmedical.com/

産後の抜毛が長く続く場合には、体力減退、ホルモンバランスの激しい乱れ、ストレス、加齢のほか病気などが考えられます。

一般的に、産後の年齢は女性の薄毛が始まる年齢に近くなると言われています。出産によるホルモンバランスの乱れから女性の薄毛が始まってしまうこともあります。その場合、ヘアサイクルが変化して出産前と髪の毛の量が変わってしまうため薄毛改善のための対策をとる必要が出てくるということを知っておきましょう。

7.まとめ

いかがでしたか?産後子育てで忙しいとはいえ、女性としておしゃれが楽しめるようになった産後。見た目の印象にかかわる抜け毛は大変気になるところですよね。一時的なホルモンバランスの関係で起こる産後の抜毛、時期が過ぎれば終わる一過性のものです。上手に対策を講じ、その時期を乗り切っていきましょう。

ライター名 水口美恵子