妊娠を希望している女性が、まずやることが自分自身の身体の状態を知ること。自分でもできることのひとつに「基礎体温の測定」が挙げられます。基礎体温をつけると、だいたいの排卵日の予測もできるので妊活には欠かせない情報となります。また妊娠初期には月経があった時とは異なる基礎体温の変化がみられるので、今回の記事では妊活中~妊娠初期の基礎体温の変化についてご案内していきます。これから妊娠を望む方や、ひょっとして妊娠したかも?な方は、ぜひお読みください!
・そもそも基礎体温とは?
・妊娠初期の基礎体温
・妊娠しやすい身体づくりのために
読むのに必要な時間は約 4 分です。
目次
1.そもそも基礎体温とは?

■基礎体温とは?
「基礎体温」とは、そもそも普通の体温とどう違うのか?いつの体温のことなのか?とわからない方もいるのではないでしょうか。
「基礎体温」とは、生命維持に必要となる最低限のエネルギー消費しかしていない安静状態にあるときの体温のこと。もっと簡単に言うと、寝ている間の体温ということになります。しかし自分自身が寝ているときは測れないので、朝目覚めて活動する前に測った体温を基礎体温とする場合が一般的です。寝ている間の体温に近づけるため、動かず布団の中でそのまま測りましょう。また、検温する時間帯もなるべく一定となるよう調整しましょう。起きてすぐ測れるように、就寝前に枕元に体温計と基礎体温を書き込む表やスマホ(アプリ)を置いておくと便利ですよ。
■高温期と低温期とは?
男性と違い、女性の体温は一定ではなく、ホルモンの分泌により体温は0.3~0.5℃程度上下します。正常な排卵が行われている(生理が定期的に来る)健康な女性であれば、基礎体温は大きく分けて低温期と高温期があり、それが一定のサイクルで繰り返されます。基礎体温の変化に伴って身体や心の状態も変化し、あなた自身の今の状態を知るヒントにもなります。
- 【低温期】
月経が始まってから排卵するまでの約2週間は低温期が続きます。
(1)月経期
妊娠していなければ、月経が起こります。
(2)卵胞期
卵胞ホルモンが分泌され、身体・心ともに好調な時期です。 - 【高温期】
排卵後から月経前まで10~14日間くらい続きます。
(3)排卵期
卵胞ホルモンの分泌がピークになり、排卵が近づくと透明で粘り気のあるおりものが増えます。
(4)黄体期
排卵が起こり、卵胞が黄体に変化。人によっては月経前に様々な不快症状が現れます。
■基礎体温の理想的な波形
一般的な基礎体温の変化は下図のような周期になります。

出典:http://www.ninkatsu-startup.com/
ただし、これの通りのグラフにならなかったからといって心配することはありません。
低温期と高温期がきれいな二相になっていなかったり、基礎体温を1日とるのを忘れてしまったりしても、そもそも体調や室温など測定時の環境で誤差が出るものであり、また周期にも個人差があるものなので、あまり神経質にならなくても大丈夫。
大切なのは「女性ホルモンがきちんと変動しているか」すなわち「高温期と低温期に分かれているか」なので、全体をみてなんとなく二相になっていて周期が28日前後であれば正常とみてよいそうです。
また基礎体温グラフをつけると、自分自身について以下のようなことが推測できます。
・次の生理予定日はいつ頃か
・排卵がきちんとされているか
・妊娠しやすい時期はいつか
・ホルモンの分泌、ホルモンバランスは正常か
・妊娠しているか
例えば生理予定がわかれば旅行の予定を避けたり、妊娠を希望する場合はタイミングを考えたり、イライラや不安感はホルモンの影響によるものだから大丈夫…など、身体や心のリズムをつかんで体調管理やスケジュール調整をしやすくなります。
2. 妊娠初期の基礎体温グラフの特徴
■グラフから見る妊娠初期の兆候

出典:http://infoakachan.com/
妊娠すると、基礎体温は下がることなく高温期を維持します。また月経予定日を過ぎると妊娠初期症状が出る方がふえるので、その頃に妊娠に気づく場合が多いそうです。
■妊娠したら高温期が続く
排卵時のホルモンバランスの変化により、プロゲステロン(黄体ホルモン)という女性ホルモンが急激に分泌されます。このホルモンは着床や妊娠をサポートし、同時に基礎体温を上昇させる働きがあるのだそう。そして妊娠が成立しなかった場合には、ホルモンの分泌が減少し月経となる流れを辿りますが、妊娠が成立していた場合はホルモンの分泌が続くため、基礎体温も高温を維持するのだそうです。なお、基礎体温は個人差によるところが大きいので、高温期であっても体温が低めの方は36℃台前半だったという方も。
妊娠初期(妊娠2ヶ月~4ヶ月)は卵巣からプロゲステロン(黄体ホルモン)が分泌され、子宮の中にいる赤ちゃんの成長をサポートしているので、高温期が続く=赤ちゃんが栄養をもらって順調に育っているというサインにもなります。
妊娠初期の高温期は、妊娠5ヶ月頃まで続きます。この頃には胎盤が完成するため、体調が安定し低温も低下する方が多いそうです。妊娠初期には卵巣からホルモンが分泌されていましたが、妊娠中期以降は胎盤がその役割を担うため、基礎体温も下がるのだと考えられています。
3. こんな場合は妊娠が難しい?!
■基礎体温が低い
基礎体温が低いと、妊娠に必要な機能も低下してしまいます。体温が低いことで子宮周辺の血流が悪くなり、子宮の働きも低下するため、正常に排卵されなかったり受精卵が育たないということもあるそうです。
基礎体温が低くなる原因のひとつに、ホルモンバランスの乱れがあるとされています。ストレスや疲労・食事バランス・睡眠不足・運動不足など生活習慣の乱れが続くと、ホルモンバランスが崩れ、結果的に基礎体温が低くなるそうです。
おしゃれを優先し薄着で外出して体を冷やしてしまったり、過剰なダイエットによって血行不良や体調を崩してしまったりすると、基礎体温も下がってしまうため、温かい恰好でおしゃれを楽しんだり、適度なダイエットを心掛けましょう。
■高温期と低温期の差が見られない
妊娠を希望する女性にとって、排卵日は大切な日です。しかし、基礎体温が低いと低温期と高温期の体温変化があまり見られなくわかりにくい状態になってしまいます。高温期に入ったかわからないまま排卵日を過ぎてしまい、機会を逃してしまいかねません。
■基礎体温がガタガタしている
基礎体温のグラフがガタガタしているということは、高温期と低温期の境目がなく常に変動しているということ。基礎体温が正しく測れていない場合を除くと、妊娠するための流れに障害が起こっていると推測できます。
・無排卵
・ストレス
・季節の変わり目
などの要因で基礎体温が理想の変動とならない場合があり、そうなると妊娠しにくいと言われています。ただし、基礎体温が正しく計測できていなかったり、誤差の範囲内でガタガタになっていた方などは、ガタガタでも自然妊娠できたという場合があります。
基礎体温は自分の身体を知る上で重要な手段ではありますが、外部要因でその数値は変動してしまうため、自分は基礎体温がガタガタだ・理想的な波形でないからといって落胆せず、一度婦人科を受診して専門家にもグラフを読み取ってもらいましょう。
■妊娠しやすい身体づくり
まずは基礎体温を上げるよう改善していきましょう。基礎体温が低いと免疫力が下がったり、うつ病など精神疾患になりやすいとも言われているため、妊活中の女性に限らず意識したいところです。
【身体を冷やさない】
・重ね着をし、温かい服装を心掛ける
・半身浴や足湯で温める
・湯たんぽやカイロで温める(特に下半身)
【食生活を改善する】
・朝昼晩3度の食事をバランスよく摂る
・血行を良くするビタミンEを含む食品を選ぶ(ナッツ類・緑黄色野菜等)
・体を温める人参・ごぼうなど根菜類を選ぶ
・食品添加物を避け、できるだけ自然素材のものを選ぶ
【十分な睡眠】
・睡眠不足は自律神経の乱れに繋がり、血管が圧迫され体が冷えてしまう
・最低でも1日4時間以上、できれば6~8時間睡眠をとる
4. まとめ
基礎体温は女性の身体と心のリズムを知るバロメーター。妊娠を望んだときに、もしも基礎体温が低い傾向にあれば、妊娠しやすい身体づくりのために生活を改善していきたいですね。
ライター名
kuki