【風邪の季節到来!】子供の咳の原因は?対処や治療について

この記事でわかること
・咳を伴う病気の可能性
・家での対処方法と注意点
・咳止めの薬について

暑い夏が終われば次は乾燥の季節。風邪をひかれるお子さんも増える時期です。その中でもよくある症状が咳。辛そうに咳き込む姿は代われるものなら代わってあげたい!とお母さんも辛くなってしまいますよね。咳は子どもの病気のよくある症状の1つですが、場合によっては風邪よりもっと重大な病気のサインかもしれません。この記事では、咳の種類やその対処・注意点についてご紹介します!

1.咳を伴う病気

出典:https://192abc.com

一口に咳と言っても、声の感じや併発している症状など、原因によって様子は様々です。
咳は自分の状態をうまく話せないお子さんでも、大人に異変を伝えられる大事な身体のサイン。お子さんからのサインを受け取ってあげられるよう、まずは咳から考えられる可能性について紹介します!

【急性上気道炎】
喉風邪のことです。原因となるウイルスは様々ですが、上気道炎に炎症を起こすものを指します。併発する症状としては喉の痛みや腫れ、鼻水、発熱などがあります。あまり高い熱がでるわけではなく、「コンコン」と乾いた咳が出ます。

【急性気管支炎】
気管、気管支の風邪です。急性上気道炎と同じく、風邪とされることが多いですが、こちらの場合は乾いた咳から徐々に「ゴホゴホ」「ゼロゼロ」といった痰が絡んだ湿った感じの咳がでるようになります。発熱も伴います。重症になると肺炎になる可能性もあるので、放置しないようにしましょう。

【肺炎】
肺炎は肺に炎症が起こる病気です。肺炎にもいくつか種類がありますが、多くの場合が咳を患います。子どもの風邪は3~4日で症状が落ち着いてくることが多いので、4日以上経ってもおさまる様子がなければ、肺炎の疑いもあります。場合によっては入院が必要になることもある病気のため、早めに受診の判断を。

【百日咳】
ワクチンの接種(三種混合)で発症数は減少していますが、未だ0ではありません。特徴はその名の通り長引く咳。乾いた咳が短く連続で出るようになります。

【クループ症候群】
この病気の特徴的な病状は「ケンケン」といった犬やオットセイの鳴き声のような咳です。また、喉の下あたりが息を吸う際ペコペコと凹みます。肺炎同様、風邪から進行する場合が多く、酷い呼吸困難に陥るケースもあるため、入院治療になることがあります。もしかしたらと思ったら、すぐに受診してください。

【小児気管支喘息】
喘息とは簡単に言えば、ホコリやウイルス、激しい運動をしたり、冷たい空気を吸い込んだりするなど、様々な何らかの原因で、発作的に気管支が狭くなることによって呼吸困難に陥る病気です。風邪が悪化することで喘息に発展することもあります。咳が長引いているな、と感じたら、喘鳴(ぜんめい)と言われる、ヒューヒュー、ゼイゼイといった呼吸音が出ていないか確認してみてください。また、痰が絡んだ咳をしょっちゅうするようになったり、急に咳き込むことが増えたりと、思うことがあれば、一度検査してみるといいでしょう。


この他にも咳を伴う病気はありますが、たかが咳、と軽く考えず、どの場合においても《咳の様子》《期間》《併発している症状》など、病院に受診することになった時に説明できるよう、注意深く観察しておきましょう。

2.子どもの咳の家での対処法

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どんなに気をつけていても、病気にかかってしまうことはあります。
それも成長の一つの通過点ですが、親としては少しでも早く治してあげたいですよね。
咳をしている子どもにしてあげられることは?家でできる対処法や注意点について紹介します!

■3日咳が続くなら病院へ

「どれくらいで病院に行けばいいかわからない」「心配のしすぎなのかも」「きっとただの風邪だろうから…」、そう思って病院に行くのをためらってしまう方もいますよね。ですが、目次1でも紹介した通り、咳はお子さんから教えてくれる大事な警告です!ただの風邪から、大きな病気につながることもありえます。基準としては子どもの咳は3~4日で落ち着いてくることが多く、3日経ってもマシになっていないようなら、病院で見てもらいましょう。ただの風邪で終われば、それに越したことはありませんしね。

■咳がひどい時は嘔吐にも注意 !


咳をした勢いで吐いてしまった!ということがあればびっくりしてしまうかもしれませんが、実はこれは子どもには良くあること。
子どもは大人と違って、痰だけをうまく吐き出す事が出来ない子がたくさんいます。その為、痰を出そうと一緒に吐いてしまう事があるのです。そのあと食欲や元気があれば問題ありません(ぐったりしている、食欲がないなど気掛かりな場合は受診した方が良いでしょう)。
逆に吐いてでも出してしまった方が楽になることもありますよ!

補足になりますが、夜は気管支が狭くなったり、体温と外気温との格差などが影響して咳が酷くなったりする事がよくあります!合わせて、寝転がることで鼻水や痰が喉に垂れ込むので、吐くほどの咳になることもしばしば…。少しでも子どもが思いっきり吐ける準備として、洗面器やゴミ箱などを近くに用意しておくと安心です。

■湿度を高く保つ

乾燥は何よりの敵!乾燥しているとウイルスの温床にもなります。加湿器を使ったり、ない場合は濡れタオルを干したり、適度な湿度になるようにしましょう。(目安は60%)
蒸しタオルを鼻の近くに置いてあげるなどすると、保温によって気道の通りを良くすると同時に、保湿にもなるのでおすすめです!

■水分補給はこまめに

夜間など、咳が酷い場合には水分補給をこまめにしてあげてください。喉をしっかり潤わせることで痰が出やすくなります。ただし、一気にたくさん飲ませると、かえって咳を出す事もあります。特に冷たい飲み物は注意が必要です。少量を数回に分けて与えてみると良いそうです。

■マスクの活用


マスクをすればマスク内の湿度が上がる為、喉の保湿に繋がります。また、病気の時には免疫が下がっており、別の病気にかかりやすくなっています。予防の意味も込めてマスクを活用していきましょう!
ただ、お子さんが嫌がる場合などは無理をせず、部屋の保湿が出来ているのであれば、病院に連れて行くなど、どうしても外に出なければならない時だけでも問題ありません。

■はちみつや生姜スープなどを飲む方法

食材の力を借りるのも一つの手です。
はちみつは夜間の咳に効果があるという研究論文も存在するほどの強い味方。抗酸化作用・殺菌作用、保湿効果もあり、なんと免疫力アップにもつながる凄い食品なんです!甘いので子どもも食べやすいのも嬉しいところです。
《※1歳未満の子どもには絶対に与えないでください。乳児ボツリヌス症を発症する恐れがあります。》

生姜には「ショウガオール」という殺菌効果のある成分が含まれており、病原菌が原因で起こる咳に有効です!喉が痛いとしっかりした固形物を飲み込むのも辛いので、スープなど食べやすくしてあげると、栄養補給と殺菌、身体も温められて、一石三鳥です。

子どもにとって辛い咳。咳や様々な症状と直接戦うのは子どもですが、環境を作ってあげられるのは大人しかいません。少しでも早く良くなるよう、出来るだけサポートしてあげたいですね。

3.咳止めの薬の知識


出典:https://woman.excite.co.jp

大人であれば咳が出るなと感じればすぐに咳止めの薬を飲みますよね。では、子どもはどうなのでしょう。
咳の治療や咳止めの薬について解説します!

■止めてはいけない咳もあるので安易に咳止めは使わない

そもそも咳は身体の中に入ってきた異物を外に出そうとする働きから起こります。
つまり身体を正常に戻そうとする働きなので、それを邪魔してはいけない時もあるのです。
例えば喘息などは、ただでさえ気管が狭くなっているのに咳を止めてしまっては、痰を吐き出す事が出来なくなり、余計に苦しくなってしまいます。その場合は咳止めではなく、気管支を広げる薬や、痰を出しやすくする薬を使用します。
基準になるのは痰。痰の絡まない乾いた咳であれば止めても構いませんが、痰が絡む湿った咳は安易に止めないようにしましょう。

■対症療法と原因療法

薬には対症療法の薬と原因療法の薬があります。この二つの違いについて説明します。

まず対症療法。これはつまり、病気に起因する症状を抑える薬です。咳止めはこれにあたります。
病気というのは基本的に自分の体の免疫によって治していくもので、その過程で起こる咳や熱、鼻水などの症状を楽にするのが対症療法の薬の働きです。

次に原因療法についてですが、こちらは症状への対処を目的としたものではなく、病原菌が原因で起こる感染症の、病気そのものの部分に作用する抗菌薬などの薬です。主に重症化した病気に使われます。

薬はどちらも病気を治すサポートをするものですが、対症療法と原因療法ではその方法が大きく異なるのです。

■咳止め薬の知識

薬と聞くと、どうしても「病気を治してくれるもの」と考えてしまいますよね。先ほど示した通り、咳止め薬は対症療法の薬であって、病気そのものを治す薬ではありません。咳などの症状は本来、病気を治すための身体の正常な働きであり、必要なものです。

かわいい我が子が咳に苦しむ姿を見ると、早く止めてあげたいと思うでしょう。しかしそうすることでかえって病気と戦う子どもの邪魔をしてしまうことになるかもしれません。
すぐに薬に頼るのではなく様子を見て、飲ませる場合は出来るだけ病院で処方されるものを使用するようにしましょう。

4.おすすめの市販咳止め薬

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そうは言ってもこれから寒くなる季節、秋には祝日が多く、冬は年末年始も控えていて、病院に行けない!なんてこともあり得ます。
どうしても、という場合に備えて、おすすめの市販咳止め薬についても紹介します!
(出来るだけ安全なものを選んでいますが、市販薬の使用は出来れば6歳以上からにしましょう)

《子ども用咳止め薬を選ぶ基準》
ドラッグストアに行くとずらっと並んだ咳止め薬。どれを選べばいいかわからないですよね。できる限り安全なものを選べるよう、咳止め薬の成分について説明します!

まず何より避けてほしいのがコデイン配合のモノ。表記ではリン酸ジヒドロコデインや、リン酸コデインと表記があると思います。
この成分は脳に直接作用して咳を抑えるもので、即効性があり非常に強力な作用があります。この成分は薬物依存にもなり得る成分でもあり、副作用として呼吸の抑制をしてしまう可能性もあります。そのため、子どもには使わないよう、コデインが配合されていないかチェックするようにしましょう。

中には植物エキスのみで配合された咳止めシロップもあります。成分としてはとても安心ですが、少し苦味があるものがあるので、他のシロップに比べると飲ませるのが大変かもしれません。

また、せっかく咳が落ち着いても、カフェインが配合されていては、結局眠れなくなることも。できればノンカフェインのものを選んであげましょう。

これらを踏まえて、具体的におすすめできる商品をいくつか紹介します!

【宇津こどもせきどめシロップA】


出典:https://www.uzukyumeigan.co.jp

宇津救命丸株式会社から発売されている子ども用咳止めシロップ。ノンシュガーなのに、味は飲みやすいようイチゴ味に加工されていて、カフェインやコデインも含まれていません。

【キッズバファリンせきどめシロップS】

出典:https://www.lion.co.jp

ご存知ライオンから発売。飲みやすいイチゴ味で、ノンカフェイン。

繰り返しになりますが、市販薬はどうしても病院に行けない際の、一時的なものとして使用して下さい!!

5.まとめ

出典:https://www.madameriri.com

いかがでしたか?子どもの病気には親もあたふたしてしまいがち。知識があるだけで、落ち着いて対処できることもあるかと思います。
できる限り早く治るよう、大人が環境作りをしてあげることが大事になるのが咳です。お子さんのためにどっしり構えて見守ってあげてください!

この記事が少しでもお子さんの元気に繋がると幸いです!

ライター:本間