“子供が急に嘔吐!”受診するタイミングと嘔吐したときの対処法

この記事でわかること
・子供が吐いてしまう原因
・病院受診する?しない?判断方法
・吐いてしまった時の対処法

 

ご飯を食べている時に突然子供が嘔吐した!今まで元気に遊んでいたのに急に吐いた!そんな経験がありませんか?親にとって初めての経験だとしたら、びっくり!オロオロと慌ててしまいますよね。子供の嘔吐って衝撃的です。

大抵は吐いてしまうとケロッとしてまた元気に食べたり遊んだり。そんな姿を見てホッとすることもあります。病院へ行っても「おうちでゆっくり寝かせてあげてください」と帰された経験のある方も多いのではないでしょうか?

子供は様々な原因でよく嘔吐しますが、「いつものこと」と思っていても、時には感染症や重大な病気が潜んでいることがあります。今回は嘔吐した子供の変化を見逃さないためのポイント、病院を受診するかの判断、吐いてしまった時の対処法などをご紹介します。きちんと知識を持っていれば、いざというとき焦らずにすみますね。

1.子供はもともと嘔吐しやすいのでまずは慌てないこと

子供の体は未発達で成長途中です。生まれてから、まず最初に発達する体の器官は脳、脊髄、神経などの神経系と呼ばれる器官です。その後、リンパ説などのリンパ系が発達し、骨、筋肉、内臓などは年齢に合わせてゆっくりと出来上がっていきます。

内臓は2〜3歳くらいまでと思春期にかけて大きく発達されると言われています。それ以降の年齢では年とともにゆっくり成長していきます。子供の体は必要な時に、必要なものが成長するように合理的にできているんです。

■消化機能が整っていないために嘔吐しやすい

消化器官は体を守るための神経や、リンパなどの器官と比べて発達がゆっくりです。1〜2歳までのお子さんはまだまだ内臓が発達していませんので、もっと吐きやすいとも言えます。
多くの嘔吐は咳やげっぷなどのちょっとした刺激で起こるものが多いので、自宅で様子を見ながらゆっくりと過ごすことで良くなることがほとんどです。ですが、時には重大は病気が隠れていることもあります。病気を見逃さないためのポイントと、嘔吐に隠れているかもしれない病気のいろいろをお伝えしていきますね。

■原因のほとんどはウイルスの感染症

子供の嘔吐の原因になる病気の多くは「ウイルス性胃腸炎」と呼ばれるもので、ウイルスの感染が原因で起こります。ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスなどがウイルス性の胃腸炎を引き起こすと言われています。

多くのウイルスは発症してから数日で症状が落ち着きますが、抵抗力の弱い子供は重症化したり、脱水症状を引き起こすこともあるので要注意です。とは言っても、「吐く」ということは、ウイルスを体の外に追い出すための体の自然な防御反応なので様子を見ながら適切な対応をすることで元気になることがほとんどです。

2.子供が嘔吐してしまった時の対処法

30分~1時間程度食べたり飲んだりすることを控えてください。吐いた後は子供も口の中が気持ちわるいとか喉の渇きを訴えることがあるかもしれません。そんな時に一気飲んだり食べたりするとまた吐いてしまうという悪循環にはまってしまいます。

子供が欲しがっても、吐き気が治まるまではうがいや氷を与えるなどしてほんの少しだけ我慢してもらうことも必要です。

■感染予防の対応

・手洗いうがいが基本
吐いたものを触ったり、吐いたものがついた衣類、シーツなどを触った後はよく手洗いうがいをしましょう。自分自身への感染を防ぐとともに家族への二次感染を防ぐためです。指の間や手首まで念入りに洗いましょう。

・手指、衣類の消毒を
吐いたものにはウイルスが入っている場合があります。ウイルスに感染しない、させないために吐いたものに触れた後きちんと手を洗い、手洗い後には消毒液を使って消毒することも忘れずに!

・トイレやお風呂に気をつける
トイレで吐いたり、下痢をした時、嘔吐や下痢で入浴した場合、便や嘔吐物とともにウイルスが空気に飛び散り感染する場合もあります。

症状がある時に入浴する、させる場合は家族の一番最後に入りましょう。入浴後は、消毒液をトイレやお風呂に向けて、そして、浴室トイレ内の空気を消毒 するようにシュッとスプレーすることで殺菌してしまいましょう。

・料理は生物に気をつけよう
嘔吐物に触れた後よく手を洗ってもウイルスが手についていることも考えられます。調理は生物を避けて、加熱する調理法(煮る、焼く、蒸す)にしましょう。

■水分補給について

嘔吐している時は胃腸の働きがとても弱くなっています。吐き気が治まるまで、水分は水やお茶よりも塩分とカリウムが入っている経口補水液と呼ばれるものが体に吸収されやすく脱水を防ぐ効果が高いです。

水分は一度にたくさん飲ませるのではなく、大さじ一杯を飲ませ15分程度たっても吐き気が出ないようだったら、もう少しといった具合に少しずつ様子を見ながら飲ませましょう。吐き気が強い時にゴクゴクと一気に飲んでしまうと、飲んだ分以上の水分がはき戻すことによって体から失われてしまうので気をつけましょう。

■嘔吐後の対応

水分を少量ずつ与えてもまだ嘔吐が続いたり、うとうとと眠気が強そうだったりする場合は脱水が疑われます。このような症状が強い場合は点滴が必要になる場合もありますので病院を受診しましょう。

3.病院へ連れていくかどうかの基準

・嘔吐や下痢がなんども続く時
・唇や舌が乾いている時
・おしっこが半日以上でない時
・食べたり飲んだりしないのになんども吐いてしまう時
・けいれん、引き付けが見られる時
・ぼんやりしていたり強い眠気がある時
・吐いたものに血液や黄色や緑の液体が混ざる時
・頭を強く打った時

上記のような症状が見られる場合には自己判断せず直ちに病院を受診しましょう。

■何回も繰り返す嘔吐や発熱は病院へ

元気に過ごしていた子供が急に激しい嘔吐を何度も繰り返したりする場合は「自家中毒」かもしれません。自家中毒は周期性嘔吐症、アセトン血清嘔吐症の別称で、精神的な緊張や興奮、例えば運動会や遠足の前などにとても緊張したり興奮したりといったことが原因で体が過敏には反応して起こることがあるようです。

自家中毒の特徴は激しい嘔吐を何度も繰り返すこと。吐いた後に口から甘い匂いがすることも。4~5日くらいで症状は収まるようですが激しい嘔吐にびっくりする方も多いと思います。自家中毒は2~10歳くらいのやせ形の男の子に多い症状なので思い当たる方は気をつけてくださいね。

嘔吐に加えて高熱が見られる場合は

・インフルエンザ
・急性虫垂炎
・嘔吐下痢
・感染性腸炎

などの病気も疑われます。高熱を伴う嘔吐を起こす病気はたくさんあるので、自己判断せずに早めに病院受診をしてもいいかもしれませんね。

■点滴が必要な状態

吐き気がおさまらず水分が取れず、脱水の症状が見られる時には点滴が有効です。

・嘔吐や下痢がなんども続く時
・唇や舌が乾いている時
・おしっこが半日以上でない時
・食べたり飲んだりしないのになんども吐いてしまう時
・けいれん、引き付けが見られる時
・ぼんやりしていたり強い眠気がある時
・吐いたものに血液や黄色や緑の液体が混ざる時

上記のような症状がみられる場合は脱水が疑われます。上記のような症状がみられ、水分を取っても回復が見られないような場合は直ちに病院へ行きましょう。乳幼児の場合は特に気をつけてくださいね。

■頭を打って24時間以内の嘔吐は注意が必要

遊んでいて転んだ、落ちて強く頭を打ってしまったような場合にも嘔吐することがあるので気をつけましょう。

・頭痛がする
・意識が朦朧とする
・ろれつが回らなくなる
・ぐったりと動かなくなる
・嘔吐を繰り返す

上記のような症状が24時間以内に見られた場合は頭部の内出血などが起こっている可能性があります。そう言った症状が見られない場合でも頭部を強く打った時には病院を受診しましょう。

4.まとめ

いかがでしょうか?子供が吐いたりして調子が悪いと途端にパニックになってしまうこともあるかもしれませんね。でも、ほんの少しだけ予備知識があることで安心して安全、適切な行動をとることができ、家族への感染を予防することができます。

夜間や休日など病院の受診が難しい時に子供は嘔吐や発熱することがよくありますが、対処法を知ることで、どうしようと不安になることも少なくなると思いますよ。まずは、子供がウイルスにかからないように元気でいてくれること、そしてお父さん、お母さん、家族が元気であることが一番ですよね!

子供が嘔吐する病気は様々な原因があります。突然の嘔吐にもまずは深呼吸して慌てずに落ち着いて対応してみてくださいね。

ライター:北薗