赤ちゃんはちょっとしたことですぐに下痢になります。でも、物が言えない赤ちゃんの体調不良は、お母さんにとってすごく不安なもの。それが初めての育児ならなおさらです。「そもそもこれは下痢なの?」という超初歩的な疑問から、「赤ちゃんの下痢の原因は何?」「下痢が続いているけど機嫌が良い場合は病院に行くべき?」など、今更あえて人には聞けない方も多いのではないでしょうか。
そういった基本的なことから、通院の目安、病院で医師に伝えるべきこと、対処方法から予防方法まで、赤ちゃんの下痢について徹底的にご紹介します!
読むのに必要な時間は約 6 分です。
目次

1.赤ちゃんが下痢になる原因は?
まずは赤ちゃんの主な下痢の原因をご紹介致します。
●単一症候性下痢
下痢以外の症状が見られない、単なる下痢を言います。赤ちゃんは消化器官がまだ発達していないので、ちょっと多めに水分を摂ったり、お腹が冷えたりすると、すぐに一時的な下痢になります。
数日でおさまる場合も多いので、他に症状がない場合は、まずは様子をみて大丈夫と言われています。
●ウイルス・細菌による感染症
【ロタウイルス】

出典:http://vaccinet.jp/
ウイルスや細菌に感染して、胃腸が炎症を起こし、消化不良で下痢になります。白いうんちが出ることで有名なロタウイルス、激しい嘔吐や下痢を伴うノロウイルス、血液の混じった便が見られる腸管出血性大腸菌など。
こういった感染による下痢の場合は、その他にも、嘔吐や腹痛が見られたり、赤ちゃんの機嫌も悪くなる場合が多いです。
ちなみに、本当に参考までに、うちの息子がノロに感染したときは、下痢は1日10回程度、嘔吐は普段の吐き戻しよりも多かったけどそこまで違いがわからず、最初は機嫌も特別悪くありませんでした。(風邪を併発していたため、最終的にどれがどの症状かわからず)
●乳糖不耐性
出典:https://ssl.hagukumi.ne.jp/
母乳やミルクに含まれる「乳糖」を消化吸収できず、下痢や体重増加不良をきたす先天的な病気です。しかし、先天的な乳糖不耐性は非常に稀です。何かしらの理由で下痢が続くことによって、腸内環境が悪化し、後天的な「二次性乳糖不耐性」になる場合があります。
現在7ヶ月の息子も過去になったことがあります。そのときに友人に情報を求めると、経験者がすぐに見つかりました。そのくらいよくある疾患のようです。二次性の場合は、医師の指導のもと、乳糖を含まないミルクに変えることで治療が可能です。
●食物アレルギー
出典:https://oshietekero.com/
特定の食物を食べることによって、下痢が引き起こされます。離乳食の開始後に下痢になった場合は、食物アレルギーを疑う必要が出てきます。食物アレルギーの場合は、下痢の他に、発疹が出ることもあります。
ひどい場合は、呼吸が苦しくなったり、アナフィラキシーショックになることもあるので、食物アレルギーが疑われる場合は速やかに医師に相談しましょう。また、新しい食材を与える場合は、必ず少量から様子を見ましょう。
●抗生物質の影響

風邪のときに処方される抗生物質が、腸内細菌も殺してしまい、下痢を引き起こすことがあります。自己判断で抗生物質の投与を中止せず、下痢がひどい場合は医師に相談しましょう。整腸剤との併用で対処できることがあるようです。
■どういったうんちが下痢なの?
赤ちゃんのうんちはもともとゆるいので、下痢かどうかの判別がとてもしづらいです。特に離乳食スタート前の、低月齢の赤ちゃんのうんちはほぼ水状で、回数も多めです。
普段よりもうんちの回数が多い、水状のうんちが何度も出てオムツから漏れる、臭いがいつもと違うなどの場合は、下痢と判断して良いでしょう。
実際の色や状態を知りたい方はこちらでチェックしてみてください。
⇒https://millymilly.jp/
うちの、現在7ヶ月になる息子は、ミルク育ちのせいか、新生児の頃からうんちの回数が1日1回出るか出ないかくらいでした。しかし生後4ヶ月頃から、徐々にうんちの回数が増え、1日5回くらいになりました。(離乳食開始前、ミルクも変えていない)
夏場だったので、夏バテのようなものかな?と思い、しばらく様子を見ていると1日2回くらいに落ち着く日もある。でもまたしばらくすると1日5回になり…ということを繰り返していました。ところがある日、1日8回以上になり、その状態が数日続いたので小児科を受診しました。
その話を医師にしたところ「どこから下痢と言うかははっきり言えないし、今目指すところが一番最初の1日1回の状態であるとも言えない」とのことでした。個人差もあるので、下痢の判断は医師でも難しいようです。
私が1つの目安だと感じるのは、オムツ交換が頻回だったり、うんちが漏れて服や寝具についてしまって、その処理を「親がしんどいと感じたら」それはおそらく下痢だと思います。
■心配のない下痢はあるの?

基本的には、食欲があって機嫌も良く、体重が増えているなら、多少下痢が続いていても心配ないと言われています。
下痢以外に気になる症状がない場合、小児科によっては、数日の下痢なら何も処方せず、1週間や10日を超えても整腸剤で様子を見ます。
それだけ赤ちゃんの下痢はよくあることで、何週間か続くことも特に珍しくはないそうです。
■心配な下痢はどんな症状?
赤ちゃんの下痢はよくあることで、心配のないことがほとんどです。
逆に言うと、心配すべき点さえ抑えておけば、急な下痢でも慌てることなく対処できます。まとめてご紹介します。
状態についてはこちらのサイトで画像を見ることができますよ。
⇒https://millymilly.jp/
・うんちの色が「黒」「白」「赤」の場合
・食欲がない
・熱がありぐったりしている
・元気がない、機嫌が悪い
・呼吸が苦しそう
・発疹がある
症状がひどい場合や心配な場合は、病院に電話で確認するなど、早急に対応しましょう。夜間の小児救急電話相談は#8000へ。今すぐに受診が必要がどうか相談に乗ってくれます。
2.受診の目安と確認するべきポイント
■受診の目安

上記のような、心配な症状が出た場合は、できるだけ早く受診しましょう。そういった心配な症状がない場合でも、下痢が1週間以上続くようなら、一度受診してみることをオススメします。
受診の目安の第一はもちろん赤ちゃんの症状です。ですが、お母さんがどう感じているかもとても大事です。もし「大丈夫そうだけど心配亅「単純に下痢の処理がつらい」などあれば、是非一度、小児科で医師に相談してみましょう。
息子のかかりつけの小児科では、極力薬を出さず、自身の力で自然に治ることを大事にしています。息子の下痢が続いているとき、「元気で体重も増えているので、様子をみてもいい」と言われたのですが、「夜間にうんちが漏れて、毎日シーツを洗ったりするのがしんどい」と訴えると、対処方法をもう少し即効性のあるものに変更してくれました。医師の方も、そういう部分はとても大事だと言ってくれました。
■確認するべきポイント

病院に行く場合は、どういった症状がいつから始まったかを整理しておく必要があります。熱があるかないかも必ず聞かれるので、気になる症状が出たときや、病院に行く前に検温しておくことをオススメします。
また、うんちのついたオムツをビニール袋に入れて持参しましょう。(取り扱い後に手を消毒するなど、注意が必要です。)医師がうんちを実際に診ることで診断もできますし、必要ならその便の検査もできます。息子のノロも、持参した便を検査して発覚しました。
3.病院で医師に伝えるべきこと
普段の様子と、現在の症状、熱の有無、どういった症状がいつから始まったかなどは必ず聞かれます。また、直近で体重を計測した記録などがあれば持参しましょう。体重が増加しているかどうかは、診察の参考になります。
また、赤ちゃん自身が保育園に通園しているかどうか、通園しているきょうだいがいるか(その場合、園で流行っている病気はないかなど)確認される場合があります。
4.赤ちゃんの下痢の対処法
赤ちゃんが下痢になってしまった場合どうすれば良いのでしょうか?対処法を具体的にみていきましょう。
●全身症状を見る
先述のような、下痢以外の心配な症状がないかを確認しましょう。
●二次感染の予防
まずは、うんちが別のところにつかないように最善を尽くしましょう。赤ちゃんのうんちを処理した後は、必ず石鹸で手を洗うか、消毒をすること。
個人的には、オムツ交換のついでに赤ちゃんの手をお尻拭きできれいにしておくことをオススメします。ちょっと目を離したすきに、股を触ってしまうことが多々あります。下痢中の嘔吐(吐き戻し)の処理も、可能なら消毒したり、すぐに洗濯しましょう。
●水分補給
下痢をすると水分が失われます。普段通り母乳やミルクを飲めるならそれほど心配はいりません。もし食欲が落ちている場合は、湯冷まし、麦茶、ベビー用の経口補水飲料などで補うと安心です。

出典:https://www.toysrus.co.jp/
一度にたくさんではなく、こまめに何度かにわけて飲ませましょう。
●お尻のケア
下痢のうんちは刺激が強いので、できるだけ早くオムツを交換してあげることが重要です。
お尻拭きでゴシゴシ拭くと、赤ちゃんの柔らかい肌は、すぐに真っ赤になってかぶれてしまいます。可能なら、お湯でお尻を洗って、水分を拭き取り、ドライヤーでさらにしっかり乾かすのがベストです。
とはいえ現実的に、毎回そんな対応をするのは難しいので、できるだけ優しくきれいに拭き取って、軟膏を塗って、なるべくうんちが肌に直接触れないようにしてあげましょう。
もし下痢で受診する場合は、亜鉛化軟膏などを処方してもらうと安心です。保湿の軟膏は、使用期限が長めなので、その後も急な下痢のときに使えます。
お尻のかぶれがひどい場合は、ステロイドなどで一度しっかり治した方が早いこともあるので、小児科や皮膚科で相談してみましょう。
●離乳食を控える

離乳食初期の場合は、一度離乳食を中止しましょう。離乳食中期以降は、一段階戻し、お腹に負担のかかる食材は控えましょう。おかゆや、りんご、バナナなど、離乳食初期から食べられる消化に良い食材がオススメです。
5.予防方法は?

心配な下痢は、ウイルスや細菌の感染によるものがほとんどです。まずは、一緒に暮らしている赤ちゃん以外の家族が、手洗いうがいを徹底しましょう。うちの息子のノロ感染も、おそらく娘からもらったものではないかと思っています。(娘もその前に、下痢と食欲減退がみられた)外出の後は、赤ちゃん自身の手洗いも忘れずに行いましょう。
流行時期は人混みへの外出も避けた方が良いでしょう。
また、調理器具の殺菌消毒、食べる物はよく加熱する、冷蔵庫の中を清潔に保つなど、台所からの感染防止も重要です。感染すると激しい胃腸炎を起こしやすいロタは、任意で予防接種が受けられます。念のために受けておくと安心感が違います。
6.まとめ

息子がノロだと診断される前も、実は長い間下痢が続いていました。二次性の乳糖不耐性になって、ミルクを乳糖の入っていないミルクに変更して、1ヶ月近く続いた下痢がようやく落ち着きました。
ところが、乳糖の入っていないミルクを別の物に変えたら、また便の回数が1日10回に戻ってしまったので、完全にミルクが合わなかったのだと思っていました。たまたま別の病院を受診してみたら、便の検査をしてくれてノロが検出されびっくり。対処法は整腸剤で腸内環境を整えながら、とにかくウイルスを出し切るしかないとのことでした。
下痢が続くと、不快感もあるしお尻もかぶれるし、赤ちゃんは大変です。ですが、それと同じくらい親も大変です。
赤ちゃんが心配だし、毎日何度もうんちを処理しなければならないし、オムツも消費するし、うんちが漏れてシーツや服を洗濯したり(ノロだとわかってからは、消毒も必要でした)、何度も病院に足を運んだり、外出を控えたり、自分にもノロが飛び火したり…。たかが下痢。されど下痢。やはりまずは何より予防が肝心です。もらわない、うつさないを心掛けましょう。
ライター:平