【正しい目薬の差し方!】横から?すぐ目を閉じる?意外と知らない正しい差し方とは?

目薬を差すとき、皆さんはどのように差していますか?結構、怖いな、苦手だなと思っておられる方も多いのではないでしょうか。
最近では、スマホ、パソコン、テレビなどなどで目を酷使しているかたも多くおられ、目薬は疲れた目のメンテナンスとして注目度が高まっています。

怖いので目薬の容器を目の端に付けて雫を感じないようにして差す方や、差したあと目薬が目の全体にいきわたるようにと、目をぱちぱちやってみたりする方…
回数や滴量を守っていますか。ご自身の目薬の差し方を思い返してみると「そういえば…私の差し方ってあっているのかしら」と不安に思われる方もいるのではないでしょうか?
今回は、一番目に良い目薬の差し方から、勘違いしていた目薬の間違った差し方などをご紹介いたします。

もし、間違った点眼方法を続けると…「目薬の効果が半減する」「目薬自体が雑菌で汚染される」など、びっくりするような現実が!早速、みていきましょう!

この記事でわかること
・正しい目薬の差し方
・間違った目薬の差し方
・目薬豆知識

読むのに必要な時間は約 6 分です。

1. 目薬がうまく差せない……

私自身、目薬がいまだに「怖い」と感じてしまうひとりです。
外して頬っぺたに目薬が流れたことなど数知れず、今差してみてもおそらくそうなるでしょう。
目薬がうまく差せない方の多くは、

・物が目に近づくのが怖い
・目に水滴が入るのが怖い
・目の開け方がわからない
・条件反射で目が勝手に閉じる

 

これらの理由に当てはまるのではないでしょうか。
小さな子供のころは親にやってもらって、いつ落ちてくるかわからない目薬を待ち構える恐怖があったかと思います。でも今や大人な私たちは、目薬を差すことも自分でタイミングを決めることができるのです。

目薬はこわいという小さなころに植え付けられた思い込みを捨て、新しい差し方を身に着ければ何も怖がることはありません。目薬が怖いという概念を捨てリラックスしてコツをつかみましょう。ほら、あなたも少し自信が沸いてきていませんか?
ではその気になる正しくって、うまく差せる方法をご紹介します。

 

2. 正しい目薬の差し方


目薬を差すときの一番大事にしなくてはならないことは「手を清潔にする」ことです。
それでは、様々な目薬の差し方を見ていきましょう!

■女優差し

これは目薬が流れ出てメイクを落としてしまわないように、という意味合いのある差し方です。
① 差したい目の目尻が上になるように顔を傾けます。
② 目薬の容器を目尻に近づけて横から目薬をさす
決して目薬の先を目に当てないように!

 

■「げんこつ法」右利きの方バージョン♪(左利きの方はすべてを逆に)

この方法は手がぶれてしまう方にお勧めの方法。
左手をぐーにして下まぶたを引きます。

出典:https://pinspo.com/

そのまま斜め上を向き、だいたい当たりをつけて目薬に位置を決めます。そして手は動かさず、白目をむく気持ちで目薬を見えなくして、点眼!
手の固定位置を決めることにより、手ぶれを防ぐのです。

 

■声を出しながら差す

これは目薬が怖くて…というのではなく、条件反射で目が勝手に閉じてしまう、という方に最適な方法。
「あー」という声は目を見開きぎみで出しています。ですから閉じにくいということで差しやすくなります。

 

3つ方法をご紹介しましたが、まとめると

・目薬の先端を見ない
・目の中央ではなく下まぶたの方につける
・手がぶれないようにする

このためには、「目薬の先端を見ず、下まぶたに差す気持ちで、手が動かないようグーで支える」
これを心に留めながら目薬差しに挑戦してみましょう♥

 

次に差し終わった後は、目薬が涙点(るいてん)から流れ出ていかないように、しばらく(3分がベスト)まぶたを閉じるか、目頭を軽く押さえます。そして下を向きましょう(目薬は目の表面にこそ効くものだからです)。目薬が流れ出ていってしまうと薬の効果が発揮できなくなってしまいます。

ヒトのまぶたには、結膜嚢とよばれている袋のようなものがあり、その部分に目薬がたまることで少しずつ眼の奥へ浸透していきます。なので、目薬をさした後はそのまましばらく目をつぶり、目薬が眼にしっかりと行きわたるよう、この涙点を塞いで結膜嚢に目薬がたまるようにしましょう。さらに目頭を軽く押さえるのも効果的です。
決して目をパチパチすることはやってはいけません。

こうすると、目薬が目の全体にいきわたるようなイメージですが大きな間違いです。せっかく差した目薬が涙と一緒に目頭のほうに集まって、涙点(るいてん)から喉の方へ流れ出てしまいます。

出典:http://atsushino1.com/

 

 

■おもしろ番外編

【トイレットペーパーの芯で目薬】

これは、たまたまトイレットペーパーの芯があったときですが、トイレットペーパーの芯を望遠鏡をのぞき込むように目に当てます。この時点でかなりおもしろい姿です。芯の穴から目薬を落とすというわけです。
芯で目は開いたままに固定され、開いた状態をキープ、暗いので恐怖心も抑えられるのです。
ママがお子様に目薬を差すときなどに活用しても良いかもしれませんね。目薬用にトイレットペーパーの芯を確保することをお忘れなく!

 

3. 意外!間違った目薬の差し方


花粉症、ドライアイ、疲れ目、などに対応した各種様々な目薬が発売されている昨今、目薬業界は売り上げを伸ばしています。気軽にドラッグストアで購入できる目薬ではありますが、意外にも正しい使い方をしている人は少ないらしいのです。

その一番の間違いは量。
ある調査では34%の人が目薬を差しすぎているとのことです。そしてほとんどのひとが、点眼後の目パチパチを遂行しているという実態も明らかにされました。なんということでしょう!正しい方法で差せば効能はしっかり得られますが、間違った方法をとれば、副作用が出る場合もあるのです。

基本的には、点眼一回につき一滴で十分です。目薬一滴の量は、約50µl(0.05ml)となっています。
1日に何回も点眼をすると、涙で目に送られてくる脂質、ムチン、たんぱくなどの保湿成分や栄養分を洗い流してしまうことになり、目の自浄能力が低下して余計な病状の悪化を引き起こしてしまうということになり、結果目に悪影響を与えてしまいます。目薬も使い続けると耐性ができて、薬効成分が効かなくなってしまいます。さらに目薬に添加されている防腐剤などが角膜を傷つけることもあり、眼圧が低下したり、失明になりそうになった事例もあるのです。

 

4. 目薬に関する豆知識


疲れ目、かすみ目、充血、などなど効用は多種にわたり、数々の目薬は「どれでも同じような効果があるので、何を買っても良いのでは?」とお思いでしょう。
しかし、目薬選びには大切なポイントがあるのです。
「効能」という点においては値段によっての差はありません。

しかし、「効能の持続時間」が値段によって変わるのです。高いほど持続時間が長い、というわけです。最安値などの目薬ですと効能は2~3時間。高いと5~6時間は乾かずに眼球を潤わせてくれるのです。
使用期限の目安はどの目薬でも1か月以内には使い切ると考えてください。
お高いものはより長く、お安いものはそれなりに…というわけですね。

 

■他人の目薬は借りても大丈夫?

気軽に目薬を貸し借りする方がいますが、これはよくありません。貸す側の人がそのような使い方をしているかわかりません。また借りたほうも正しい使い方をしてお返ししているのかも定かではないのです。思わぬ菌が目に潜んでいた場合、感染して目薬で目を悪くするなんて本末転倒な結果になってしまいかねません。
目薬容器はスポイトタイプなのでうまく差せたとしても、点眼したあとに跳ねた水分を吸い込んでいる可能性もあるわけです。

点眼した時のまばたきにより飛沫がとび、目薬に菌が付着することもあります。
また点眼するさいの取扱い(蓋も含む)によって菌が付着する可能性もあります。
眼病の原因となる菌や物質は、空気中にも存在しているので、目薬を共有することで通常よりも感染する確率がさらに高くなってしまいます!

目は粘膜です。乾いた皮膚とは違います。目薬の貸し借りは厳禁ですね。
家族間でもそれはやらないほうが良いでしょう。

 

■一度に数種類併用してもいいの?

2種以上の目薬をさすこともあるかと思いますが、その場合、時間を開けずに続けてさしてしまうと、先に点眼した薬が後から点眼した目薬によって流されて効果が弱くなってしまいます。よって、目薬をさす間隔を5分ほど開けて、最初に点眼した薬の成分がしっかり浸透してから次の目薬をさすようにしましょう。

「どっちの目薬からさしたら良いのかわからない…」という方もいらっしゃると思いますが、一般的には効果をより出したいものを後に点眼するほうがよいとされています。また、粘度が高い種類の目薬があれば、そちらを後にさすようにします。性質上、必ず最後に点眼すべき目薬もあるので、複数の目薬を使用する場合よく効能や目の状態を考えて点眼順序を決めてくださいね。

 

■コンタクトレンズNGの目薬があるのはなぜ?つけたままではいけないの?

コンタクトを常日頃から装着している方なら目薬を選ぶ際にチェックしていることがあるかと思います。それは
「コンタクト装着時に使用可能な目薬か否か」ですね。
目薬には多くの成分が含まれていますが、その中にはコンタクトレンズに悪影響を及ぼす成分が含まれていることがあります。

では、どのような成分がコンタクト使用時に悪い影響を及ぼすのでしょうか。
コンタクトの中でも最近多く使用されている「ソフトコンタクト」。これは目に必要な酸素を水から取り入れるため液体を吸収しやすいスポンジのような構造をしています。
よって、ソフトコンタクトをして、目薬を差した場合、レンズが吸収してしまうといった現象が現れるのです。その結果、レンズと相性が悪ければ、薬液の成分からレンズが変形したり収縮したりすることがあります。

また、ハードコンタクトの場合でも目薬を差すと目薬成分が通常の裸眼の場合の滞在時間よりも長く目の表面にとどまっていることから、かえって目に悪い影響を与えてしまうということも起こります。注目すべきは「ネオスチグミンメチル硫酸塩」という成分です。
これは目のピントが眼精疲労によってずれる目に効く成分なのですが、必要以上にピント調節筋を働かせることになります。
逆にピントを絞りすぎて、視界が暗く見えてしまうこともあり、注意が必要です。

その他にも目薬成分にあるたんぱく質が汚れとして残留して炎症を引き起こしてしまうケースもあります。防腐剤も決して目に良いものではないので、これが長く目の表面にとどまることは良いとはいえません。防腐剤に対するアレルギーをひきおこしかねません。また。防腐剤自体が角膜上皮を傷つける可能性も“!
コンタクトを使用していて疲れ目などになった場合は一時コンタクトを休憩するなどしてから目薬で目を元気にしてあげてはいかがでしょうか。

 

■目薬はたくさん差したほうが効果あるの?

目に入れることのできる液体の量は約0.03㎖です。目薬1滴は0.05㎖なので1滴でも多いといえます。
多いからといって、目に入る量は決まっているわけですから、適量を守りましょう。

 

5. まとめ


ここまで、目薬の効能や正しい差し方、やってはいけない使い方などをご紹介してまいりました。目に潤いを与えて、癒してくれる目薬。冷蔵庫に入れれば長く使えると思っていた私の常識はくつがえされました。コンタクトをしている方も気を付ける点がありましたね。
薬でありながら、使用方法によっては傷つけることにもなってしまう目薬。目は粘膜であり
繊細な部位です。
目を潤し健康へ導くためにも、目薬を正しく使いたいものですね。これを機にあなたの目薬ライフの見直しを図ってみてはいかがでしょうか。

ライター名:清水