【2019年最新】黄砂の時期って?健康への影響は?対策もお伝えします!

ある時期になるとテレビのお天気コーナーで伝えられる黄砂の情報。近ごろは黄砂だけではなく、PM2.5なんて言葉もよく耳にします。黄砂やPM2.5といえば「アレルギー」「喘息」「大気汚染」など、なんだか物々しいワードが連想されて、健康面での悪影響も気になりますよね。

この時期はマスクが手放せない!という方も多くいらっしゃるかもしれません。それに黄砂やPM2.5は、大気汚染が問題になっている中国から飛んでくるイメージもあって、小さなお子さんがいらっしゃったり、花粉症などのアレルギー体質だったりすると毎年頭を抱えている方も少なくないはず。

ところで、どの時期に黄砂が飛んでくるのか、体にどんな影響があるのか、具体的にはご存知ですか?この記事では、意外と知られていない黄砂について詳しくご紹介していきます。これを参考に黄砂の知識を深めていただき、ぜひとも今年は早めの時期から対策を始めてみてください!

この記事でわかること
1黄砂の時期
2 黄砂とPM2.5の違いと近況
3 黄砂とPM2.5の健康被害と対策

読むのに必要な時間は約 8 分です。

 

1. そもそも黄砂とは?

■黄砂とは何か


出典:https://pixabay.com/

黄砂は主に中国や東アジアの砂漠などの砂塵が季節風に吹かれてやってくるものです。
黄砂の多くは4μmくらいの大きさで、髪の毛の20分の1ほどにあたります。

見た目は黄土色に近い色をした粉のような形状で、花粉と見分けにくいものですが、指で擦るとザラついているのが特徴です。
また日本で観測される黄砂は、中国で観測される黄砂と比べて粒子が小さいと言われています。

■黄砂の今

はるか昔から黄砂によって景色が霞む光景は、季節の風物詩としても楽しまれていたそうです。月が霞んだ美しい情景を「朧月(おぼろづき)」や「朧月夜(おぼろづきよ)」なんて呼びますよね。実は、それらの現象も黄砂が関係しているといわれています。

しかし現代では、昔と比べて環境問題への意識が高まってきました。
中国の急速な経済発展によって大気汚染が問題になり、中国から飛来してくる黄砂に対して捉え方が変わってきています。

2018年11月、中国の甘粛省(かんしゅくしょう)という地域で大規模な黄砂が発生しました。それは気象衛星の画像もはっきり映し出されるほどで、交通をはじめとした市民生活に深刻な影響が出ました。

日本ではまだ黄砂による被害はそれほどではありませんが、このように発生地に近い中国や韓国、モンゴルでは、日本と比べて黄砂の濃度がかなり高く、生活に大きな影響が出ています。

■地域によって異なる黄砂の影響

国によって黄砂による影響が異なるように、日本国内においても大きく影響を受ける地域と、ほとんど影響を受けない地域があります。

中国大陸に近い地域であればあるほど黄砂の影響をより大きく受けるとされており、日本では西日本や日本海側の地域において頻度、量ともに多い傾向にあるのです。なかでも九州、中国地方では例年多くの黄砂が観測されていますので、お住まいの方は黄砂の時期に十分な注意が必要です。

■黄砂が飛来する時期

一般的に、黄砂が多く観測されるシーズンは「春」です。
例年では2月頃から徐々に黄砂の観測頻度が高くなり、5月頃にかけて多く観測されるようになります。なかでも4月の観測頻度が飛びぬけて高く、ピークとされているのです。

以下の表は1981年~2010年の、日本における黄砂の観測日数の平均を示しています。
前述したように、黄砂が観測される日数は2月から5月にかけて多く、特に4月の観測日数が多いことが分かります。

黄砂観測日数の平均(1981年~2010年)

参考URL:https://www.data.jma.go.jp/

実は、黄砂は一定の気候条件さえ重なれば発生します。発生頻度には差があるものの、おおむね年間を通して飛来しているといわれています。
表でも、黄砂のイメージがあまりない6月や12月などにも観測されていることが分かります。
春は黄砂の発生条件がとても重なりやすいため、事前にしっかりとした対策をとり、用心することが大切です。

2. どうなる?2019年の黄砂情報


出典:https://www.flickr.com/

■過去の黄砂観測日数

黄砂が観測されるのは年間20日程度とされています。
データがある1967年から2018年にかけて、史上最も多く黄砂が観測されたのは2002年でした。おおよその観測日数が年間20日程度とされているのに対して、2002年はなんとその倍以上である47日という日数が観測されました。

ではここ最近の観測日数はどのような傾向にあるのでしょうか。こちらが過去5年間の黄砂観測日数です。

2014年:10日
2015年:18日
2016年:11日
2017年:3日
2018年:11日

このように過去5年間においては、黄砂観測日数は比較的少ない傾向にあります。
特に2017年は1年での観測日数がたった3日と、観測史上最も少ない日数でした。
昨年、2018年も黄砂観測日数は11日となっており、比較的頻度が低かったと言えるでしょう。

2019年も、黄砂の頻度が少ない傾向が続くとありがたいですね。

■精度が向上!黄砂の予測

春が近づいてくると、「今年は花粉が多い」という予測を、テレビのニュースなどで耳にすることがあるかと思います。花粉は前年の夏の天候をもとに予測を立てることができるからです。

一方で黄砂はというと、一定の気候条件が重なると発生するもの。つまり、発生地によって気象状況は絶え間なく変化することから、現段階では長期的な予測を発表することが難しいとされているようです。

しかし、朗報もあります!
昨年秋にJAXA(国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構)と九州大学が、気象衛星「ひまわり8号」の観測データを活用して、黄砂やPM2.5の飛来予測の精度を向上させることに成功したと発表しました。気象庁はこの手法を2019年に導入するとしており、黄砂予報の精度が向上することが期待されています。

黄砂予報は、気象庁をはじめとしたいくつかのページで数日先の予報や週間予報が発表されています。冬が終わりに近づいてきた頃から、日々こまめにチェックするのがおすすめです。

・気象庁:黄砂情報(予測図)
 https://www.jma.go.jp/jp/
・PM2.5と黄砂の週間予報
 https://china-pm25.com/

3. PM2.5と黄砂は何が違うの?

出典:https://www.pakutaso.com/

■PM2.5とは何か

PM2.5はスギ花粉の1000分の1の大きさという非常に小さい粒子で、「微小粒子状物質」とも呼ばれています。「PM2.5=人工汚染物質」とい思われている方も少なくないのですが、実はPM2.5という言葉は単に粒子の大きさを表しているものです(pm=particulate matter の略称で、2.5μm以下の大きさ粒子という意味。)。

また、工場で生じる煙や粉塵、自動車の排気ガスなど、人間の活動に由来する化学物質だけでなく、火山活動や黄砂など自然に由来するものもPM2.5に含まれます。

■他国におけるPM2.5

2013年1月、PM2.5の問題に大きく注目が集まりました。
当時、中国では様々な条件が重なり、PM2.5の高濃度スモッグが発生。加えて風が弱い状態がしばらく続いたことから、なんと3週間にかけて中国に高濃度スモッグが停滞する事態となりました。

今日においても、中国や発展途上国では、PM2.5の問題がますます深刻になる一方です。

最近では、2019年1月に韓国においても、PM2.5の濃度が過去最悪となったことが発表されました(これは、中国のPM2.5が韓国に流入した可能性もあるようです。)。
このようにPM2.5は中国をはじめ、その他各国においても問題となっています。

■日本におけるPM2.5

2013年1月の中国におけるPM2.5の高濃度スモッグ発生を受けて、日本においてもPM2.5への関心が高くなったといわれています。
PM2.5も黄砂と同じように季節風によって隣国に飛来するものですから、日本も他人事ではいられなかったからです。

現在、これまで取り組んできた工場などの煙を排出する施設の規制や、自動車の排出ガスの規制のおかけで日本国内におけるPM2.5の濃度は徐々に低くなっているといわれています。これからエコカーなどの環境に配慮した製品がもっと普及すると、国内で生み出されるPM2.5はさらに減っていくでしょう。

4. 黄砂とPM2.5が及ぼす影響とは

■黄砂による被害

黄砂による被害は、発生地からの距離によって異なります。発生地に近いモンゴルや中国では、交通麻痺をはじめ、家畜や農作物が被害に遭ったり、インフラがダメージを受けたりと、国民の生活に非常に大きな影響があるのです。

日本における影響は、視界不良で飛行機が欠航するといったケースも稀にあったものの、ほとんどのケースは洗濯物や車が砂塵によって汚れてしまう程度の被害に留まると考えられてきました。

しかし最近になって、黄砂の濃度がそれほど高くない日本においても、健康被害が懸念されています。黄砂の成分や付着している微生物によるアレルギー、さらには肺や気管支で炎症を起こしてしまうことによって、喘息や気管支炎といった呼吸器系疾患を引き起こしてしまう可能性があるためです。
黄砂の影響を受けやすい地域に住んでいる方は、マスクや空気清浄機などで対策し、健康被害を防ぎましょう。

■PM2.5による被害

PM2.5も黄砂のように、濃度が高くなると視界不良などを引き起こします。
しかし、それ以上に恐れられているのが健康被害です。PM2.5は粒子が非常に小さいものであるため、通常の粒子では入り込めない肺の奥深くにまで到達してしまう危険性があります。症状としては、以下の5つがあると考えられています。

・粘膜に有害物質が付着することによる、鼻水や目の痒みなどのアレルギー症状
・毛穴で炎症を起こすことによる、肌荒れやじんましんなどの皮膚疾患
・肺や気管支で炎症を起こすことによる、喘息や気管支炎などの呼吸器系疾患
・肺胞に入り込んで他の臓器に到達することによる、心筋梗塞などの心疾患
・化学反応で発がん性物質に変化することによる、肺がん

黄砂に比べて有害物質を含んでいる分、肺がんなどの恐ろしい症状も懸念されているため、万全の対策が必要となります。

5. 徹底!黄砂とPM2.5の対策をしよう

■外出時の対策とおすすめアイテム

季節風が吹く春、湿度の低い晴れた日には黄砂やPM2.5が多く飛散することから、本来外出はあまりおすすめできません。とはいえ、仕事や家事といった日常生活があるなか、一日中家に閉じこもって過ごすのはなかなか難しい話。そこで黄砂やPM2.5をばっちり対策するための方法をご紹介します。

屋外での対策としては、マスクを着用することが重要です。
しかし、どんなマスクでもいいわけではありません。なぜなら普通のマスクでは、非常に小さいPM2.5をキャッチできず、マスクの役割をきちんと果たすことができないからです。

最近では、ドラッグストアでもPM2.5対応と書かれたマスクをよく見かけるようになってきました。もしこの表記が見当たらないときは、「N95」または「DS2」規格のマスクを選ぶのがおすすめです。この規格は、0.1~0.3μmの微粒子を95%以上カットできることを示しています。PM2.5は2.5μm以下の微粒子を指すため、PM2.5をほとんどカットすることができるのです。

【(日本製 PM2.5対応)超立体マスク スタンダード】

出典:https://amzn.to/

定番の「超立体マスク」からPM2.5対応マスクが発売しています。
こちらは名前のとおり、超立体構造によって鼻や頬、顎にぴったりフィットするのが特徴。口元に空間ができ、マスク内の湿度を保てるつくりになっています。

高密度のフィルタが3層構造になっており、黄砂やPM2.5の他、花粉対策にもおすすめですよ。長い時間マスクをつけていても、耳が痛くならないのも嬉しいポイントです。

【(PM2.5対応)BMC フィットマスク】

出典:https://amzn.to/

毎日マスクを使用する方は大容量がお得!こちらは女性やお子様用の、50枚入りマスクです。
ガードステッチ加工が施されていて、お顔のラインに隙間なくフィットします。柔らかなノーズフィッターが採用されているのでメガネも曇りにくく、耳が痛くなりにくい仕様です。

超極際繊維のフィルタが黄砂や花粉、ハウスダストなどを補足し、体内への侵入を防いでくれます。

【BMC キッズフィットマスク】

出典:https://amzn.to/

幼児~小学校低学年のお子さまがいらっしゃる方にはこちらをおすすめします。サイズに合ったマスクを着用することは、黄砂やPM2.5の侵入を防ぐためにとても重要です。

フィルターは超極細繊維で、花粉やハウスダストといったミクロ粒子を捉えてくれます。柔らかい平ゴムなので耳が痛くなりにくく、幼児や小学校低学年のお子様も使いやすいですよ。

【イハダアレルスクリーンEX スプレータイプ】

出典:https://amzn.to/

どうしてもマスクができない場合や、マスクを外した時のメイク崩れが気になることもありますよね。そんな方にはスプレータイプがおすすめです!

発売当初、各地のドラッグストアから一時消えてしまうほど人気となったこちら。資生堂の特許技術によってPM2.5の吸着を防いでくれる優れものです。メイクの上から使えるのでとてもお手軽です。天然温泉成分配合なので、ミスト化粧水のような感覚で使うことができますよ。

【イハダアレルスクリーンジェルクールEX】

出典:https://amzn.to/

こちらは肌に直接塗布するジェルタイプ。ピンポイントで使いたい方や、スプレータイプじゃ心許ないという方におすすめです。

空気中の花粉やウイルス、PM2.5の吸着を抑え、目の周りや鼻に付着するのを防ぎます。
ファンデーションの上からも使いやすい、さらさらの透明ジェルで、パッケージも小さく持ち運びに便利。ユーカリミントの香りで爽快な使用感です。

■家での対策とおすすめアイテム

外出している時だけではなく、家に帰ってからの対策もとても大切です。
外から帰ったときは必ず手洗い、うがいを徹底しましょう。

また、黄砂やPM2.5が空気中に多い時期は、窓を開けて喚起を行ったり、外に洗濯物を干したりするのも極力避けた方がいいでしょう。一見わからなくても、外出の際に着ていた衣服などから多くの黄砂やPM2.5が家の中に侵入してきます。こればかりはどれだけ注意していても、ある程度は外から持ち込まれてしまうものです。

持ち込まれた黄砂やPM2.5が部屋に舞い上がるのを防ぐには、空気清浄機が強い味方です。

【アイリスオーヤマ 空気清浄機(~17畳)】

出典:https://amzn.to/

空気清浄機とひとことで言っても性能は様々。黄砂やPM2.5に対応しているものを選びましょう。
こちらの空気清浄機はPM2.5除去に対応しているだけでなく、PM2.5ウォッチャーによって空気中のPM2.5を検知、モニターでチェックできる機能が搭載されています。目には見えないものだけに、空気の状態がひと目で分かるのは安心感がありますね。
3種類のフィルターが花粉やPM2.5、ほこり、タバコの煙などを吸い込み、部屋の空気をキレイにしてくれます。黄砂の時期はもちろん、1年中活躍するはずですよ!

6.まとめ

黄砂の時期や対策について紹介しましたが、いかがだったでしょうか。黄砂やPM2.5は目に見えないものだからこそ一層不安になってしまいますよね。特にお子さんがいらっしゃる家庭ではこういった対策に神経を使うものです。

しかし黄砂やPM2.5が多くなる時期をきちん知れば、タイミングに合わせた適切な対策を行うことができます。外出時はマスクを着用し、帰宅したらうがいを必ず行いましょう。黄砂が多い時期は洗濯物を極力干さず、室内への侵入を防ぐことも大切です。

これから黄砂の多い時期がやってきます。この記事がすこしでも今後の対策のお役に立つことができれば幸いです。

ライター名
Hayashi