【風邪の時はお風呂に入ってOK?】知っておきたい風邪に関する豆知識

寒い季節になると特に、あったかいお風呂でゆっくりしたいですよね。私も温泉や銭湯が大好きで、よく娘と一緒に大きいお風呂だ~と言って楽しんだりしています。ただ、お風呂が恋しくなる季節は風邪もひきやすいもの。風邪を引いた時は、お風呂は控えなさいとよく親に言われていました。私も親になり、子供が熱を出しているときには悪化するのが怖く、控えた方がいいのかと思っていました。ただ、風邪をひいているからと言って、入浴が絶対にいけないものかといわれるとそうではないようです。むしろ
風邪の症状によっては、入った方がいい場合もあるのです。風邪で高熱を出して汗をかいた後など、お風呂に入りたいけど・・と躊躇していた方もこの記事を読んで今後の参考にしていただきたいです。今回は、風邪の時のお風呂は、どういう影響があるのかや、風邪に関する豆知識を紹介するとともに、風邪の時の入浴方法や、入浴はさけた方がいい場合の具体例などをご紹介したいと思います。

この記事でわかること
・風邪の時のお風呂について
・風邪に関する予備知識
・風邪の時のお風呂の入り方・入浴は避けた方がいい症状の紹介

読むのに必要な時間は約 7 分です。

 

1. 風邪の時ってお風呂に入っていいの?

「風邪の時は悪化するから、お風呂はNG」。そういう意識を持っている方が大多数ではないでしょうか。ではなぜこのような考えが広まったのでしょうか。それは、日本のお風呂事情が関係していました。
水道が家の中に通っていなかった時代、昔の各家庭では、お風呂は外に設置してありました。ですので、お風呂に入るまで外の風を裸で受けるので、体が冷えますし、せっかくお風呂で温まっても、また外気にさらされますので、それは風邪を悪化させてしまいますよね。

そういった昔の日本の家庭事情が背景にあったので、風邪の時はお風呂を控えましょう、という流れが広まったのでしょう。ただ、今やお風呂が外に設置してある家庭はほぼなくなりました。脱衣所もお風呂の側にありますので、それほどお風呂場との気温差もなく、裸になっていたとしても急に冷えていくことはありませんよね。最近ではお風呂に入ってしまって風邪が悪化した、なんて話、あまり耳にしませんし、風邪の具合が微熱程度で、食欲もあるのであれば、お風呂に入る事自体、問題はないと言われています。風邪の時のお風呂に敏感なのは日本が独特のようで、ヨーロッパでは子供が風邪を引いたらまず、お風呂に入れるそうです。

その後、水分を十分に取って寝かせる、という習慣が根付いているようです。また、ある外国の育児書では、発熱時は、体温よりも5度ほど低いぬるめのお湯につかり、熱を下げるのが効果的だといった記事もあるといいます。私も風邪を引いてしまったとき、お風呂に入るか迷った事があり、どうしても体の汗などを流したいと思い、さっとシャワーを浴びる程度でしたが、入浴したところ、すごくさっぱりして、気分がリフレッシュできた経験があります。

小児科医の先生によっても、子供の熱がある程度下がっていて、汗を流すためにさっと入浴させることをおすすめする場合がありますし、皮膚を清潔にしすることで、リフレッシュでき、多少なりとも気分を上げることができると思います。また体を冷える事を避けたいという思いから、お湯を熱めにして入浴しがちですが、熱いお風呂は体力を消耗してしまいます。少しぬるめのお風呂の方が風邪の場合には適しています。夏場はシャワー程度でもリフレッシュできます。

また、湯冷めしないようにとお風呂からあがったらすぐに布団の中で眠ろうとすることがありますが、特に子供は汗っかきですから体のほてりを 十分に取ってから布団に入るようにしましょう。その他風邪の時に、お風呂に入るメリットとしてはまず「血行促進効果」があげられます。全身に血液がめぐることで細胞が活性化し、ウイルスなどをやっつけてくれることが期待できます。また、浴室内は高い湿度になってますので、鼻づまりや喉の痛みが和らぐこともあります。

さらに、お風呂で体を清潔にすることにより、不衛生になっていた皮膚からウイルスや菌が増えるのを抑えることもできます。このように、メリットも色々ありますので、入浴を無理に控える必要はありませんし、むしろ積極的に入っても構わないと個人的には思います。入浴をするかしないかを問題にするのではなく、お風呂の「入り方」が重要。という事になるんですね。ただ、38度を超えるような高熱の場合や、体のだるさや寒気があり、食欲がないような場合には、症状が悪化する可能性もありますので、入浴は控えた方がよさそうです。

2. そもそも風邪とは?

風邪は私たちに一番身近な症状です。子供の頃から高齢になるまで、何度も風邪にかかるのはもはや普通のこと。身近な病気だから、あまり深く考えてない方も多いかと思いますが、風邪について理解を深めれば、いざという時の対処が可能になるかと思います。ここでは、「風邪」について色々ご紹介していきたいと思います。

「風邪」というのは、実は病名ではなく、ウイルスが鼻や喉などのの呼吸器系に感染し、炎症を起こす症状を指しています。この風邪の原因となっているウイルスの種類は200種類以上あると言われているのに加え、一度感染し、免疫ができても、多くのウイルスは年々変化しますので、何度でも感染を繰り返してしまう、というのが風邪の特徴としてあげられます。また、風邪は体のどの場所で炎症が起きるかによっても、症状が様々です。ですので、あくまでも目安になりますが一般的な症状をあげると、くしゃみ、鼻水、喉の痛み、咳、痰の絡み、頭痛、発熱、体のだるさ、などがあります。通常であれば、経過が良ければ長くても約一週間程度で治りますが、油断していると気管支炎や、肺炎、中耳炎、副鼻腔炎などを引き起こすこともありますので、しっかり初期のうちで注意することが必要です。

■風邪をひいたときの対処法

どういった病気であれ、早期発見・早期治療は重要です。風邪かな?と思ったら早めに対処しましょう。
まずは、無理をせず、ゆっくりと安静にすることが大切です。それから、栄養補給と十分な睡眠ですが、風邪の症状によっては、食欲がないときもあるかと思います。そのときは、無理に食事を摂ろうとするよりも、水分補給を第一に考えましょう。脱水を起こすと症状が辛くなりますので、イオン水など、吸収率の良い水分を摂る事をおすすめします。また、なるべく早く症状をやわらげたい、というときには市販薬に頼ることも一つの手段だと思います。症状が重い場合や、中々改善しない場合には、医療機関を受診するようにしましょう。

■風邪のときに知っておきたいポイント

 

【服装について】

風邪の時、汗をたくさんかくことで症状を改善させようと、服を沢山着込んで汗をかこうとする方がいますが、そこも注意が必要です。熱が上がってくると、寒気がましていきます。そのときには暖かくすることが大切で、逆に熱を放出し、暑さが出てきたときには、汗を吸収しやすい、薄手の衣類をおすすめします。赤ちゃんなどは暑さや寒さを訴えられないことがありますので、汗のかき方やおしっこの量に気をつけながら、服やふとんの調節をしてあげましょう。また、汗をかいたままの服でいると、体が冷えてしまい、症状を悪化させることがありますので、こまめに着替えるようにすると良いかと思います。

【水分補給について】
熱があったり、ぐったりしているときなどは、食欲もないこともありますが、水分ですら摂るのがおっくうになったりしますよね。ただ、脱水は本当に危険です。私も脱水の経験があります。はじめは軽い熱でしたが、水分を摂らずにずっと寝ているだけだったので、どんどん症状が悪化し、最後は病院で点滴を打ちに行ったことがありました。初期の頃で水分を摂っていれば、症状は軽くすんだと今では思います。水分は、お水やお茶、または果汁入りのジュースなどでもいいかと思いますが、食事が摂れない場合や、胃腸炎のときには、経口補水液を飲むようにしましょう。体の中から失われた電解質や水分をいち早く補うためには、ふつうの水よりは、吸収率の高い経口補水液をおすすめします。

【毎日できる風邪予防】
風邪をひかないためには、毎日のちょっとした心がけが大切です。まず、風邪の原因となっているウイルスを体の中に入れないような生活です。その第一歩は、「手洗い」です。私達は普段、多くのものに触れています。また食べ物を口に入れる際にも手は使いますので、感染を防ぐ一番の手立てが手洗いといえますよね。次に重要なのが、「うがい」。うがいでは、口の中に入ったウイルスを洗い出したり、口の中を清潔にし、病原体の力を弱める、といった効果が期待できます。また、必要におうじてマスクを着用することも風邪予防になります。ウイルスが侵入しやすい口や鼻をふさいでバリアをつくることができますし、のどの乾燥を抑えることもできます。あとは、バランスのよい食事、適度な運動、十分な睡眠、でウイルスに負けない、強いからだを維持することが大切です!

3. 風邪の時のお風呂の入り方

先にもお伝えしましたが、風邪のときにお風呂にはいることによって、血液のめぐりがよくなったり、鼻の通りが改善したり、体が清潔になりリフレッシュできたり、といった良い効果が期待できます。お風呂で体が温まることによって免疫力がアップするのです。寒いと体が冷えます。体が冷えると免疫力はやはり低下してしまいます。考えてみると風邪を引きやすい季節といえば冬ですよね。その点からもお風呂はやっぱり入ったほうがいい!と思いますよね。

ただ、注意が必要であることも忘れてはい けません。ただ入ればいいというわけではないんです。風邪を引いて、汗を大量にかいたまま、水分を補給せずにお風呂に入ってしまうと脱水症状を起こしてしまいます。また、お風呂から上がってすぐふとんに入ってもいけませんし、風邪で寝込んでいたのに、急にお風呂に入ると急激な血圧の変化を起こす可能性があり、症状が悪化する恐れもあるんです。ですので、お風呂に入るのは良いですが、その入り方をしっかり抑えておく必要があります。ここでは風邪のときのお風呂の入り方についてご紹介します。

■体温や血圧を確認する

通常、横になっている状態では、血圧は低下します。風邪のときは寝込んでいる時間が長いかと思いますので血圧は低めだと想定します。そのときに体を起こすと血圧は上昇しますが、入浴することでまたさらに血圧に変化が起こります。血圧の急激な変化は体への負担が大きく、危険な場合もあります。お風呂に入る場合には、急激に体を温めたり、冷やしたりしないよう、注意する必要があります。血圧の変化を穏やかにするよう、気をつけるようにしましょう。血圧計で自分の血圧を確認すると安心ですが、血圧計が自宅にない場合には、体温を測るだけでもかまいません。体温が38度以上ある場合には、入浴は控え、安静にすることをおすすめします。

■設定温度に気をつける

熱めの湯は、体力を消耗させてしまいます。風邪のときはぬるめの温度で入浴しましょう。

■入浴時間に気をつける

ゆっくりと湯船に使って体を温めたい、と考える方もいるかと思いますが、長時間の入浴は体力を奪います。そうなると逆効果になりかねませんので、入浴時間は、短めがおすすめです。体がだるいので、さっとシャワーだけで済まそうと思う方もいるかと思いますが、それだけだと体が十分に温まらないので、5分位でも、湯船につかるといいでしょう。

■湯上りのパジャマについて

お風呂から出て、パジャマに着替えて、そのまま寝る。あまり、違和感のない行動に思えますが、実は風邪が悪化することがあります。お風呂上りは、体がまだ温かいのでしばらく汗をかき続けているのです。ですので、お風呂上りにすぐパジャマをきてしまうと、汗が吸収され、体が冷えてしまいます。体が汗をかいたままお布団に入るとしばらくは温かく感じますが、結果的に汗によって体を冷やすことになるのです。それを防ぐためにおすすめなのが、バスローブです。バスローブには、汗を吸収しつつ、乾燥から肌を守る機能があるんです。ですので、まずお風呂から上がったらバスローブを着て、しばらく出る汗が収まったあとに、ぱじゃまに着替えるのがベストです。

■水分補給に気をつける

脱水にならないために、お風呂に入る前にまずコップ1杯の水を飲みましょう。また、お風呂から出たあとにも水分補給を忘れずに。風邪により、熱がある場合には体内の水分は不足しがちです。意識してお水を飲みましょう。

■浴室と外の気温差に気をつける

体を温めるためにお風呂に入ろうとしても、脱衣所が寒く、体が冷えてしまっては意味がありません。ですので、脱衣所と浴室の気温差が出ないよう、事前に熱めのシャワーを出すなどして、脱衣所の室温も高めておきましょう。また部屋の室温にも気をつけましょう。ひつようであれば、暖房も利用し、浴室と脱衣所、部屋の3つの室温が10度以上変わらないようにするのがポイントです。

■体の冷えに気をつける

濡れた体は冷えの原因です。お風呂から上がったら、ドライヤーなどを活用し、なるべく早く体と髪を乾かしましょう。

4. お風呂を我慢したほうがいい場合もある

軽い風邪症状の場合には、お風呂はおすすめですが、お風呂は我慢した方がいい場面ももちろんあります。

■赤ちゃんや高齢の場合

急激な温度差は誰にとっても体に大きな負担となりますが、赤ちゃんや高齢のおじいちゃんおばあちゃんにはより危険な場合があります。特に風邪を引いている場合には免疫力も低下していますので、無理な入浴は控え、安静にしている方が良い場合が多いです。汗をかいて、不快そうであれば、温かい濡れたタオルなどで体を拭くだけでも、さっぱりします。

■高熱がある場合
風邪の症状が強い場合には、入浴は控え、安静にすることが、回復を早める近道になります。38度以上の熱があるときには、微熱程度に下がり、症状が治まってきたと実感してから入浴するようにしましょう。熱が下がったと思っても、再度発熱する可能性は否定できませんので、しばらく様子見てからの方がいいかと思います。また、寒気やだるさがあったり、体の節々が痛むときなどは、熱が上がり始めるサインかもしれませんので、気をつけましょう。

■下痢・嘔吐をしている場合

下痢や嘔吐は、脱水症状が一番心配です。そのときに水分を奪ってしまう入浴は危険です。この場合は水分補給をしながら、安静にしておくことが大切です。症状が改善してきたら、入浴を検討しましょう。

5. まとめ

風邪のときはお風呂は控えましょう、という考えは昔の日本のお風呂事情が関係していたのですね。
海外ではより早く快方へ向かう手段としても入浴はすすめられているようなので、風邪予防に私達もお風呂を活用していきたいですね。私も子育てと仕事をしっかりこなすために、風邪のひき始めなど症状が軽いうちは、お風呂で体を温めて免疫力を上げたいと思いました。ただ注意すべきお風呂の入り方と、入ってはいけない症状をしっかり頭に入れることを忘れずに。寒い冬も早めの風邪対策で、病気知らず元気で過ごしていきたいですね。

ライター名HARIKA